こんにちは、イターナル歯科クリニックの院長 岩永です。
先日からホワイトニングについていろいろと説明をしてきました。
イターナル歯科クリニックでもオフィスホワイトニング、ホームホワイトニングのどちらもやっているのですが、皆さんに是非お勧めしたいのが「FAPホワイトニング法」と呼ばれるオフィスホワイトニングです。
この方法が他のホワイトニングよりもお勧めできる最大のポイントは、
色の後戻りがない
というところです。
このことを説明するにあたって、まずはホワイトニングでなぜ歯が白くなるのかからお話ししましょう。
それには、簡単に歯の構造からご説明をします。
歯は、一番外側にエナメル質と呼ばれる硬く半透明な部分があり、その内側に象牙質と呼ばれるやや黄色っぽい部分があります。そして一番中心には神経が通っています。このように、歯は三層構造となっているのです。
エナメル質は半透明ですので、エナメル質の透明感の高い方は下の象牙質の色が透けて見えて、歯が黄色っぽく見えてしまいます。
これが歯が黄色く見える理由なのです。
逆にエナメル質が白く濁っている方は歯が白く見えるのです。
それをホワイトニングでどのように白くするのかというと、ほとんどの方法では、歯の表面に薬液を塗り、その薬液の作用でエナメル質の表層を薄く溶かしてザラザラな面にするのです。
そうすると、透明なガラスが表面がざらざらのすりガラスになると白っぽく見えるのと一緒で、表面にあたった光をそこで乱反射させて白っぽく見せることができます。こうすることで下の象牙質による黄色い色を隠してしまおう、というのがホワイトニングの原理なのです。
しかしここで問題があります。
ホワイトニングで歯の表面をざらざらにするということは、ほんの少しだけとはいえ歯の表面を傷めていますので、ほんのわずかではありますが歯の表面がむし歯になりやすくなったり、もろくなったり、着色がつきやすくなったりします。また一般的なホワイトニングは一度歯の表面を白くできたとしても、しばらくすると後戻りという現象がおこり、また徐々に歯の色が黄色くなってしまいます。
これはなぜかというと、歯の表面を一度ざらざらにしたとしても、お口のつばの中には再石灰化と呼ばれる能力があります。
これは、つばの中にカルシウム系の成分が含まれていて、ほんの少しだけならむし歯ではの表面が溶けたとしても、自分で固めて治してしまうような作用があるのですが、これによってホワイトニングによってざらざらになった歯の表面も徐々に固められて平らに戻ってしまうのです。
すると、またエナメル質の透明感が戻ってきてしまいますので、歯が黄色く見えてくるのです。
それに対して、イターナル歯科クリニックで扱っているFAPホワイトニングはちょっとだけ作用機序が違います。
FAPホワイトニングではその薬液の力によって、エナメル質の表面にフッ化アパタイトと呼ばれる層を少しずつ作っていきます。
このフッ化アパタイトの厚みによって歯を白く見せようというのがFAPホワイトニング法です。
このフッ化アパタイトとは、フッ素によって強化されたエナメル質と同じ成分です。
フッ素入りの歯磨き粉で歯を磨くと歯が強くなると言われますよね。
これは、歯の表面にフッ素が取り込まれてその部分のエナメル質はフッ化アパタイトに変化するからなのです。
ということは、このフッ化アパタイトによってコーティンぐされた歯は、むし歯にもなりにくい強い歯となります。
そして、このフッ化アパタイトはエナメル質と同化し、途中ではげたりなくなったりするものではありません。つまり、歯の色の後戻りもないのです。
もちろん、絶対にむし歯にならないとか、永遠に歯の色が変わらないとまでは言いません。
長い年月を重ねるうちに若干の色の変化はあるかもしれませんが、そんなにすぐのことではありませんし、歯の表面が着色してもまたお掃除をすればきれいな白さが戻ります。
つまり、ホワイトニングをしながら、むし歯予防にもなり、しかも色の後戻りもないという、大変メリットの多いホワイトニング法なのです。
いかがでしょうか?
次回はFAPホワイトニング法の実際の手順等について、詳しくご説明したいと思います。